蓮沼執太 | Shuta Hasunuma

wannapunch!

ワナパンチ!

Date

2010.01.01

Format

CD:Live Recording

WEATHER 042 / HEADZ 137
¥ 2,500(tax incl.) ¥ 2,381(without tax)
2010. 1. 1 on sale
WEATHER / HEADZ

http://faderbyheadz.com/release/headz137.html

01 wannapunch!
02 Earphone & Headphone in my Head
03 Discover Tokyo
04 Sunny Day in Saginomiya
05 Door of the Cosmos (SUN RA cover)
06 flying LOVE
07 Soul Oscillation
08 VOL
09 Gakona
10 Door of the Cosmos Reprise

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<HMV×WEATHER Radio Programs ウインドアンドウインドウズ>

Shuta Hasunuma『wannapunch!』発売記念

蓮沼執太 × 佐々木敦 インタビュー(2009年12月9日収録)

佐々木
『ワナパンチ!』完成おめでとうございます。これは前作『POP OOGA』(#1)に続く、HEADZからの2枚目のアルバムになるわけですが、
今回、ちょっと変則的なんだけど基本的にはライヴ盤という形をとっていて、ここのところの蓮沼くんは、「蓮沼執太チーム」としてのライヴを非常に精力的に行っていて、『wannapunch!』は、その活動の1つの結実としての作品っていうことだよね。

蓮沼 
そうですね。

佐々木
でも、考えてみたら、最終的にこういう1枚のアルバムを作るという感じのことを、蓮沼執太チームを立ち上げた時から、なんとなく話していたりしたよね。

蓮沼 
去年の11月の『POP OOGA』のレコード発売記念ライヴ(※)のときに、『POP OOGA』の音要素を全部ライヴ・ヴァージョンに組み替えて初めて演奏しました。その時、佐々木さんも初めてライヴを観られたんですよね。

佐々木
蓮沼くんは『POP OOGA』以前にもアルバムを出していて、基本的には所謂エレクトロニカ的な作りで作っていたじゃない? 
そのある種の一つの完成点みたいなところに『POP OOGA』があって、で、それをライヴでやったときに、こんなふうに生演奏ライヴな感じでやろうって考えて、しかも実際に“ホントにやっちゃうんだ!”っていう感じがあったんだよね。だったらまた全然『POP OOGA』とは違うカタチのものにしても、作れるんじゃないの?っていう発想が最初の出発点だったんだよね。自分の中で、生演奏志向みたいなものが高まっていたっていうことはあった?

蓮沼 
実際にライヴでもライヴ・バンドも多く観ていて。それこそ学生のときは、アメリカのインディーズバンド(#2)の来日アーティストは特に頻繁に観にいってました。なので元々自分もそういう方が好きなんでしょうね。ただ、いざ自分の制作部屋で作品を作るとなると、そうはできない。自分で全部やらないといけないわけだし。ライヴは自分の家じゃないから、メンバーも加えられる。だったらその会場に合わせた演奏をやった方が面白いかなって思ったんです。

佐々木
つかぬことを訊きますが、蓮沼執太チームはどのようにして呼び集められたメンバー達なの?

蓮沼 
detune.の石塚周太くんと、d.v.dのJimanica(尾島優さん)と斉藤亮輔くんが入ってくれています。一番最初に『POP OOGA』のライヴでやったときはメンバーが違っていて、全員友達だったんですよ。その後により幅広い、もっと皆を巻き込んだものをやりたいなと思っていたんです。というのも、『POP OOGA』をHEADZからリリースすることになって、HEADZに出入りしているうちに、みんなセンスも技術もあるプレーヤーが多いのに、あまりライヴもしていない。だったら一緒にやったほうがもっと大きな輪になると思って。あと、学生の頃はシカゴのインディペンデントな音楽も聴いていて、当時のシカゴの人達ってユニットごとにどんどんとメンバーの出入りが激しいじゃないですか。ああいう環境下ですごい驚くような面白い音楽がいっぱいできていた。実際に音楽を初めてみて、今の東京は意外とそういう場がすくない。だから、自分が起点となってちょっとやってみたら面白いんじゃないかなぁと。

佐々木
一つの特徴はさ、自然発生的だっていうよりは、もうちょっとこうすべきだとか、こうしたほうがいいんだっていう気持ちが結構強くあって、で、それを実現していくみたいなところが蓮沼くんには、基本的にあるよね。

蓮沼 
ありますね。ただ最初のレコード発売記念ライヴでは、もう会場が渋谷O-nestと決定していた。ライブ・ハウスだから、そういうことも考えて、どうやったら『POP OOGA』一番良く見せられるか?っていうことを考えていったら、バンドしかないなと。そのレコ発では、ASUNAがSextetでパフォーマンスしました。ああいう生楽器志向のアレンジの仕方っていうのももちろんあったと思うんだけど、自分の音楽ではO-nestでは合わないなって、というのがありました。だからあそこまで、直球的にアプローチになったんじゃないでしょうか。

佐々木
それがアルバムと非常に良いコントラストを成していたので、これはしばらくこっち方向をやっていくと如何であろうというふうに思った。
だってさ、最近の蓮沼くんのライヴ、もはやラップトップ自体もないもんね(笑)。完全にライヴ・バンドになってるよね。

蓮沼 
もう僕は普通にステージ上で踊っているだけです。(笑)

佐々木
キーボードを弾きながら拍子をとっている男みたいな。(笑)でもそういう、もうラップトップじゃなくてもいいやっていうのは自然にそうなってきたわけでしょ?

蓮沼 
そうですね。ただ、そうなってくると、また取り入れたいなというふうには思っていますね。

佐々木
あぁ、今度はまた逆にね。

蓮沼 
やっぱり人を驚かせたいみたいな気持ちが常にあるんだと思います。

佐々木
そうだろうね。作品を出してきて、その作品を聴いてくれたり受け取ってくれる人がいると、その次の作品に対する期待の地平みたいなことが出てきて、その期待に乗るとか、応えることも重要なんだけど、そこを良い意味でどうずらすか?っていうのはやっぱあると思うんだよね。ずらしたくなる気持ちが。リクエストにはそのまま応じないみたいな。でもリクエストよりももっと良いものを返すみたいなさ。

蓮沼 
最初のライヴはやっぱり難しかったです。技術的にも、練習時間も足りなかったし。そういった意味では、どんどんと練習してきて、ちゃんとライヴ・アルバムとしてレコーディングできるようになったのは、やっぱ皆の協力のおかげです。

佐々木
練習も結構コンスタントにやっているんだっけ?

蓮沼 
やっています。僕の部屋でやっていますね。ドラムの尾嶋さんが来るときは、スタジオに入ります。ドラムなしの練習は一生懸命になってやっていますね。

佐々木
やっぱり定期的にやっているとアンサンブルは良くなってくるもんね。

蓮沼 
そうですね。レコ発ライヴからライヴのオファーが増えて、月に2回以上ライヴをやっていたので、それで皆どんどん仲良くなっていき、新曲もできるようになったし。

佐々木
今回の作品を作るにあたって、最初は単純に『POP OOGA』の曲を、レコ発でやったときにみたいに、『POP OOGA』のライヴ・ヴァージョンみたいなカタチでやればいいじゃん、みたいな話だったんだけど、それが段々欲が出てきたというか(笑)。

蓮沼 
そうでしたね。ただ僕は、普通のライヴ盤にちょっと抵抗がありました。

佐々木
そうだよね、最初に僕が、いつもの調子で、“ライヴ盤作ろうよー!”みたいな感じで言ったときに、ストレートに“じゃあやりますか!”って感じじゃなかったもんね。

蓮沼 
その話をしたのは確か2008年の年末でしたね。そう、ライヴ・アルバムっていうと、僕はブラック・ミュージックのライヴ・アルバム(#7)が大好きで、そういうものって身体性がものすごいから、そういうのを聴いてしまっていると、自分のライヴがそのままパッケージすること自体にちょっと抵抗が……。

佐々木
あー、わかるね。そういう音楽ってはっきりいって、スタジオ盤よりライヴの方がかっこよかったりするもんね(笑)。

蓮沼 
そうそう。ライヴ盤ってやっぱりそういうことが醍醐味だったりもする。

佐々木
では、実際はやっぱり、ライヴをそのままCDにパッケージすることには逡巡が結構あった?

蓮沼 
ありました。考えました。

佐々木
でもさ、考えながら、色んな具体的なアイデアや方法、やり方をどんどん出してくるよね。蓮沼くんは。その果敢さは本当にすごいと思う。
今、HEADZの事務所には「音楽からとんでみる」(『wannapunch!』の元となるレコーディングを行った、蓮沼執太企画の音楽イヴェント)のポスターがまだ貼ってあるんだけど、このイヴェントが一つのポイントだったよね。このときにレコーディングもしたわけだから。

蓮沼 
レコーディングをするためにこのイヴェントを作ったっていう感じです。どういったライヴ・アルバムにしたいかな?ってずっと考えたんです、最初。そうしたときに、単純に、今までのパフォーマンスをパッケージするも良いけど、どうせ作るんだったらオーディエンスにも一緒に合唱してもらって録ったほうが、面白い!と思ったんです。

佐々木
だってもう、練習させてたもんね、お客さんに(笑)。“せーの”って言って。そもそもSUN RAのカヴァーっていうのはどこから出てきたアイデアなの? もともと好きな曲だったとか?

蓮沼 
まず、元々好きな曲だったっていうのがあって、「Door of the Cosmos」(#8)ですからね、タイトルが。土星にみんなで行こうよっていう曲ですからね(笑)。お客さんに一緒に歌ってもらうっていうのは、皆と共有したいっていう気持ちがあるんでしょうね。そういうのをライヴ盤として落とし込みたかったんですね。普通はどうしても一方通行になってしまうから。普通にライヴしたものを録るよりは、その場でレスポンスがあるようなカタチにしたいと思って。

佐々木
皆楽しそうにやっていたよね。しかもさ、驚くほどに良く録れていて。宇波拓マジックがまたしても。

蓮沼 
合唱は宇波拓さん(#9)に世界に5本くらいしかないマイクで録ってもらいました。感激。

佐々木
エリック・ラ・カーサが作ったマイクですね。

蓮沼 
普通のクリアな音とはまた違うんですよね。

佐々木
ある意味ではこもっているんだけど……。

蓮沼 
そうそう! 「生」の音っていうのかな。ものすごいリアルなんですよね。

佐々木
あのマイクを持って会場をうろうろしている光景が良かったよね(笑)。

蓮沼 
なにか電波を探っている人みたいでした!

佐々木
でもあのときに録音した以後も、編集やミックスにものすごい手間をかけてるよね。そこはやっぱりこだわりどころがあった?

蓮沼 
もっと曲を絞り込みたかったっていうのがありました。20曲くらい最初はできていて、一応ライヴでやったのは全部でそのくらいだったんですけど、そこから絞り込む作業がありました。O-nestの6階のラウンジ・スペースでの録音は宇波拓さんに録音してもらって、5階のライヴ・スペースの録音はラインとマイクで南波一海さんに録ってもらいました。結構な数の素材もありました。あと、『POP OOGA』を出させてもらった後に、HEADZのレーベルではバンドもののリリースがありましたよね。彼らはスタジオで音をレコーディングしています。だけど僕の場合はそれは必要ないんじゃないかと思っていて、ここまでちゃんと音が自分の理想に近い形で録れるなら、スタジオ録音ではなくても全然このライヴ録音でいけるんじゃないか!と思っていました。ある意味、あの日をスタジオ・レコーディングくらいの気持ちで臨んでいたのも事実です。

佐々木
それはリハにしても、イベントへの仕込みにしてもってことだよね。それくらいの気持ちでやっていたってことだよね。では、こだわって、こだわって、この与えられた条件の中で、納得のいく仕上がりになりましたか?

蓮沼 
できました。それはもちろん!

佐々木
そして、2010年1月1日遂にリリースとなったわけだ!1曲目のトラックのタイトルでもある。『wannapunch!』という言葉をアルバム・タイトルにしているじゃないですか? これはどういう意味なの?

蓮沼 wanna punchですね。そのままです。

佐々木
「殴っちゃう」みたいな?

蓮沼 
「殴りたい」ですね。だけど、まだパンチはしていない。

佐々木
それは怒りの表現なの? 蓮沼くんは結構怒りが強いタイプだよね。世の中に対して憤ってるじゃん? 音楽のシーンに対しても。

蓮沼 
すごい地道な活動している方達が報われないという状況というか。良い状況とは言えません、そういうのは。

佐々木
エレクトロニカ・シーンの流れ的なものに対しても、批判的ですよね。“なにがポスクラだ!”と(笑)。

蓮沼 
なにか僕に悪口を言わせようとしているんですか?!(笑)

佐々木
要するにさ、エレクトロニカ以後のシーンみたいなものがゼロ年代の半ば以降、ある意味では保守化していて、それこそベタに歌ものだったりとか、普通の西洋音楽的な情緒みたいなものに回帰していて、そういうのが結構ウケていたりする。そういうようなシーンの中で、そういうものと一緒に見られたくないっていう気持ちが、やっぱどっかで蓮沼くんの中にあって、ステージ上でのコンピュータとか使わない、ああいう身体的な方向にいったのかなってちょっと思ったりしてたんだよね。

蓮沼 
仰る通りでもあるし、例えば、ポスト・クラシカルって言うんですか?生楽器メインで、アンビエンスを音響として聴かせる手法そのもの昔から多くあって。ただリスニング側の音を聴く重点が変わっただけじゃないですか。それを僕が今現在にアレンジしてやっても僕は面白くないなって。

佐々木
そういう反骨精神が『wannapunch!』?

蓮沼 
あー、そうかも、いや……、そうなのかな?タイトルはいつも、気に入ったフレーズがあったらメモ帳にメモするようにしていて、そこから選んでいます。『POP OOGA』もそうでした。

佐々木
『POP OOGA』から『wannapunch!』へみたいなイメージがあるのかな。

蓮沼 
イメージねぇ、佐々木さんもさっき仰ってましたけど、どう見られたくもないっていうのが強いんだと思うんです。

佐々木
ああ、固定したイメージを付けられたくないっていうことだよね。ジャケットの感じも今回『POP OOGA』とはかなり変えてきているよね。すごい良いジャケットだよね。

蓮沼 
そうですね。今回はヒシャム・バルーチャさんにお願いしました。前回はそれこそ、音楽は全て自分で作っていき、ジャケットも自分の制作部屋の写真作品で、個人の集大成のような感じだったんです。そもそもがライヴ盤でチーム(バンド)で作品を作る。ということ自体が外部を取り入れているから、今回はジャケットもそうしたかったんですよ。全く関係ない感じで、ある程度計算をしないで、どれだけ出来たものを受け入れられるか?のような。だからチームで練習しているときも、あまり指摘とか言わないんです。石塚くんのものすごいギター・ソロとかあるじゃないですか? あれも僕は何もリクエストして言っていないんです。石塚くんがそこで直感で出てきたものを演奏しているっていう感じだから。そういうのをステージ上で見ているのは楽しいんですよ。“すげぇ弾いてる!”みたいな(笑)。

佐々木
急にすごいフレージングとか出してくるよね!石塚くん。 

蓮沼 
そうです!こちらがびっくりします。

佐々木
独立独歩的な感覚と、具体的に何かをリアライズしていく感覚が蓮沼くんはすごく際立って高いタイプだと思うんだよね。「おととび」(「音楽からとんでみる」)はまずそうだし、すごく凝ったイベントの作りになっていて。でさ、そのときに、さっき言ったみたいに色んな人を巻き込んでいくじゃない? 「ウインドアンドウインドウズ」(※)もそうなんだけど。そういう巻き込み癖みたいなものって元々あった人なの? それともここ最近になって出てきたものなのかな。蓮沼くんと初めて会ったのって畠中実さん(ICC学芸員)のブレインズ(※)なので、よく考えたら僕は最近の蓮沼くんのことしか知らないので。

蓮沼 
僕は巻き込むタイプですよ。

佐々木
あー、やっぱ元々そういう感じなんだ。

蓮沼 
やっぱり、皆でやった方が楽しいですからね。ただ音楽って最後の過程など、たとえば編集の作業って2人ではできないですよね、そういう1人でやる手作業的なものも元々好きなんだと思うんです。そういう「皆と1人の作業」の両立してるっていうのがしたいのかもしれない。

佐々木
あとさ、そういう「おととび」とか「ウインドアンドウインドウズ」とか色々なアイデアが思いつくのが楽しいっていう感覚もある?

蓮沼 
「ウインドアンドウインドウズ」のコーナーとか考えるの大好きです!

佐々木
「ウインドアンドウインドウズ」はコンテンツが増え続けているもんね。ポッドキャストもそうだけど、単純に音楽家は、音楽を作ってCDを作ってライヴをやってっていうことだけじゃなく、それにまつわる他の色々なことにもアクティヴになっていこうっていう感覚が相当強くあるよね。蓮沼くんは。

蓮沼 
すごくありますね。そういうものも側面からすれば音楽の1つですからね。音楽の全体を捕らえ直すというか。自分なりに見つめ直して、ピックアップして、まずはやってみる!っていうのがやっぱ理想なのかな。

佐々木
「ウインドアンドウインドウズ」も“ 佐々木さーん、ラジオやりたいんですよー! ”ってところから始まって、コンスタントにきっちり続けているし、蓮沼くんはある種のマネージメント能力もあるよね。要は、ちゃんと計画して、こうですって人に説明して、それぞれの人のパートを割り振って、全体を監督していくという。俺はそういうのあんましないんだよね、落としどころをほとんど考えられないタイプ。

蓮沼 
けど、僕も落としどころはあまり考えてないかも。

佐々木
面白いからどんどんやっちゃうっていうのはあるのかもね。

蓮沼 
やってみないと始まらないじゃないですか。やらないとわからないし、もし結果やってみてダメだったら、ダメだったんだなーって思う。そのわりには、今回の「おととび」から『wannapunch!』に向けての流れっていうのは出来すぎなくらい良くできていたな、と思います。

佐々木
ああ、なるほどね。良い流れだったね。すべてが繋がっていく感じというか。2008年暮れからの、一年余を集約した作品になったよね。蓮沼執太がバンドを結成してライヴ・アルバムを作りましたよっていう言葉に情報を還元するとなってしまうけど、そういうことだけじゃないことがこのアルバムにはいっぱい入っているもんね。本当に理想的なカタチで『POP OOGA』の次のアルバムが1年ちょっとをかけて出ることになったわけで、それがすごいよかったよね。

蓮沼 
自分の中でもすごい勉強になったし、得るものも多かったです。

佐々木
となると、2010年1月にこのアルバムが出て、今度はこの2010年はどうするんだ?っていうことになるよね。どうするの?

蓮沼 
自分にとって簡単に完成しないレコードを作りたいです。それは実は『POP OOGA』を作り終わったときから、作っています……。

佐々木
あー、言ってたよね、歌ものでしょ?

蓮沼 
そうです。それを一所懸命作っているんですけど、もう1年かけて1曲もできていないので、たぶんできないです。

佐々木
それは平行して『wannapunch!』も作っていたからじゃない? これで『wannapunch!』が完全にできて、レコード発売記念ライヴをやり終えたら、もうそれ以外やることないじゃん。できるよ!

蓮沼 
いやいや、「ウインドアンドウインドウズ」がありますから(笑)。

佐々木
そこまでやる気なのかよ!(笑)

蓮沼 
今、頭の中は「ウインドアンドウインドウズ」の次回の収録のことでいっぱいです!

注釈:
※レコ発(蓮沼執太の前作『POP OOGA』とASUNA『THIS』の合同リリース記念イヴェント)
2008年11月1日 at 渋谷O-nest
『蓮沼執太&ASUNA new albums release party!!』
出演:蓮沼執太チーム/ASUNA Sextet/FourColor/木下美紗都/INNER SCIENSE(DJ)

※ブレインズ(http://brainz-jp.com/
HEADZ佐々木敦の私塾。

※エリック・ラ・カーサ(http://ascendre.free.fr/
フランスのフィールド・レコーディングを用いた作品でしられるアーティスト。

※WEATHER Radio Programsウインドアンドウインドウズ(http://windandwindows.com/
蓮沼執太がパーソナリティ/ディレクションを務めるHEADZオフィシャルPodcastラジオ番組。