蓮沼執太 | Shuta Hasunuma

みんなで練習をしよう

Date

2013.10.05

前回のエントリーは日記調だったので、今回は何にしよーかなぁ、と考えているけど、ここのページはすごい気分に流れて、乱筆ペースを崩さずやっていきます。

昨日今日とで、富山に行ってきました。□□□(クチロロ)の村田シゲさんにおよばれしてもらって、『三浦康嗣 × 村田シゲ × 環ROY × 蓮沼執太 × 川崎亘一 × 木暮栄一』というすごい名称で演奏をしにいってきました。

クチロロは WEATHER/HEADZ の先輩とよく言われるのですが、実際に、三浦さんと僕の話では「HEADZの中ではだいぶ俺たち、レーベルアーティストとはキャラが違っているよなぁ。」なんて話すくらいで、全然HEADZっぽくない(っていうと、佐々木さんが「おいおいー!こらこらー!」って言いそうですが。笑)。クチロロはcommmonsっていうレーベルでメジャーデビューをしているし、僕なんかは自由に(?)好き勝手に(?)自分の音楽の中をスイスイと泳がせてもらっているのですが(それもHEADZの寛大さのお陰でもあります)。。。でも、そういう繋がりがあって、一緒にライヴをしたりする仲なんですね。はいはい、いつも通り、前置きが長くなりました。。。

僕はチームやフィルを組織しているから、どうしても「バンマス(バンドマスター)」と呼ばれ、フロントマンとして振る舞います。演技をしてます。でも、演技といっても、フェイクでは決して無くて、一生懸命、全力で演奏をしています。でも、でも、フロントマンという自覚が薄いんです。それでも、世間からはフロントマン扱いをして頂けるので、いわゆる「バンド」のサポート、っていうのに呼ばれません。まあテレヴィジョンのトム・ヴァーレインがニューヨーク・ドールズのサポートはしないっていうか(ちょっと違うかな?)。つまり、フロントマンは中々、サポートに呼ばれないっていうところを、クチロロの三浦康嗣は僕を鍵盤でサポートに呼んでくれるんです。演奏家としてのミュージシャン・シップを持っていない僕としては、そんな三浦さんのオペレーションはまさしく「チャンス・オペレーション」なんです。(こちらはジョン・ケージのソレではなくて、英語的に直訳で。)ということで、クチロロのサポートももう3年くらいやっています。年がら年中ずっとサポートしているというよりかは、年に4日くらい演奏を手伝う、という感じです。

今年もクチロロ『ジャパニーズ・カップル』ツアーに参加して、三重県と大阪、そして東京と3都市を回ってきました。僕はサポートといっても、特にメンバーからは演奏指示は無くて、自由にやっています。ここでもスイスイと泳いでる感じなんですね。リハーサルには参加するけど、特にスコアに起こさず、ジャム(ジャズの)のように音を合わせていきます。生ものに扱う感じでクチロロの音楽に寄り添っていくんです。三浦さんもシゲさんもせいこうさんも生もののように生鮮さを大切にするんですね。これにはサポートをして初めて気付いたことで、驚きました。結果、演奏はジャム色が強くなります。音源では三浦さんの繊細なコンポーズの上で、音楽が動いていくんですけど、僕と同じ考えで音楽の予定調和を強く嫌うから、結果ジャムっぽくになる。でもジャムはジャムでも、センスがとわれるジャムになるんですよね。言葉で書くと「ジャム」しか言ってないんだけど。そこは僕と三浦さんの音楽的な感覚が近くて平然と自由に出来るんですよね。それがあるから、僕もクチロロの音楽や人柄にとても馴染んでいけるんです。本当に感覚的ことなんです。でもこの感覚的な判断というのは、いわゆる即興とは違う心身の使い方をするんです。単純に、一定のフレームを用意して、その中で自由に演奏する、というようなバンド的ジャムの現在進行形なんだと思います。その決定的な違いは身にしみて感じます。

それで、やっと、やっと、本題です。先日、富山へ行ってきたんです。環ROYとthe band apart 川崎さんと木暮さんと。4日連続毎日スタジオでリハーサルをして、新しいバンドとして、お互いの楽曲をミックスしながら演奏していくスタイルでのパフォーマンスになりました。

まずはセットリストを。(ミュージシャンみたいに)

1:GOLDEN KING(□□□曲)
2:ワンダフル(環ROY曲 三浦さん作曲)
3:Hello Everything(蓮沼曲)
4:ハッピーバースデイ(環ROY曲 三浦さん作曲)
5:そうそうきょく(環ROY曲 蓮沼の作曲)
6:ex-girlfriend(□□□曲)
7:仇になっても(the band apart曲)
8;Kids(環ROY曲 三浦さん作曲)
9:仲間(環ROY曲 蓮沼の作曲)
10:moonlight lovers(□□□曲)
11:ONEMAN(蓮沼曲)
12:YES(環ROY曲 蓮沼の作曲)
13:00:00:00(□□□曲)

ec:YOU & I(□□□曲)

環ROYの楽曲は、三浦さんと僕の作曲したものを演奏するスタイルで、1曲バンド・アパートの曲を演奏しました。
コンポジション的に環ROYに書いた僕の楽曲は非常にロックなアレンジが可能で、一瞬で音圧を分厚く出来るし、縮めることもできて、今回の富山公演でバンドアレンジで聴くこと(演奏すること)が出来て、客観的に作曲のお勉強になりました。
それで、本題なんですが、何を言いたいかというと、この一週間で、普段では出会うはずの無いミュージシャンたちを集めて、練習して、本番へ、という流れが個人的に本当に面白かったんです。クチロロや環さんとは前々から友達だけど、川崎さんや木暮さんもリハーサルを重ねて行って、日に日に仲間になっていって、本番で演奏をする。っていうミュージシャンにとっては当たり前で、当然すぎるかもしれない土台を作ってくれて、僕に機会を投げてきたシゲさんにありがとう!と言いたいです。この一週間はアっという間にすぎてしまったんだけど、またどこかで、このメンバーで、この音楽を演奏したいなぁと感じました。それは僕にとって、ミュージシャン・シップを鍛える鍛錬のようで、今までスルーしてきた事柄から前を向いているようで、とても気持ちが良かったです。

感傷に浸っている間も無く、今日は富山の氷見港へ行き、昼すぎに東京に戻り、多くの制作しなければいけない用事を振り切って(まったく振り切れてなく、時間軸だけの話だとただ単に仕事を後回しのようにしているのだけど・・・)SOUND LIVE TOKYO の演目で、クリスティン・スン・キムさんと飴屋法水さん×工藤冬里さんの公演を観に上野へ行ってきました。とってもいろんなことを言いたい気持ちです。(また今度チャンスがあったら)
そして、来週は『アラカワアフリカ4』の展示も終わったり、ユザーンと環ROYと僕の即興トリオで仙台へ行ってきます。ライヴでは無いのだけど、先週も僕のアトリエで3人で集まってはじめての楽曲を作りました。こちらの模様もこのページで色々と綴っていきたいなと思ってます。

富山の氷見港魚市場の写真を。市場にある食堂では、サメの写真だったり、クジラがあがってしまった時の写真、マンボウやタコの写真など、店内の雰囲気が僕にとても引っかかっちゃいました。これらを写真に収めたのでアップしますね。